肺炎球菌の劇症型感染症を引き起こすメカニズムを解明するために、ゲノム解析やin vitroとin vivo試験など、様々な側面からの解析を行ってきた。しかし、劇症型感染症および非劇症型感染症に由来する肺炎球菌株の間には明確な違いはみられなかった。劇症型肺炎球菌感染症の発症に、宿主側のファクターが重要な役割を果たすことが考えられる。一方、細菌の病原性を評価するために広く使われている実験系が肺炎球菌に適していない可能性も否定できない。In vivo の実験では、径鼻感染によりC57BL/6 マウスの22F型肺炎球菌の病原性を評価できるため、今後は22F型肺炎球菌を中心に解析を進める予定である。
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