レット症候群(RTT)は、X染色体のMeCP2変異が主因の重度の神経発達症である。しかし、未だMeCP2欠損によるRTT病態の発症機構は不明であり、発病機構の解明、治療法の確立が切望されている。本課題では、RTTモデルES細胞やマウスにおけるミクログリアの病態への関わりを解析した。その結果、MeCP2欠損ミクログリアや分化誘導したミクログリア様細胞では、野生型細胞に比較して、遺伝子発現が変化する一方で、生理機能における明らかな異常は認められなかった。しかし、個体全身における免疫系は、MeCP2欠損による影響を受けており、ミクログリアをはじめとする免疫系を制御する因子に関しての解析を続けている。
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