煙草に含まれるニコチンによって表皮角化細胞および汗腺細胞に発現するニコチン酸アセチルコリン受容体(nAChR)が活性化されます。長期間、活性化状態が続くと、細胞同士を接着する分子が低下し、抗菌活性物質なども低下します。一方、炎症を誘導するサイトカインの発現は、炎症刺激により増強することがわかりました。これは、ストレスやニコチンによって活性化されるnAChR経路が、掌蹠膿疱症を代表とする炎症性皮膚疾患の発症および増悪に関連する可能性を示していると考えられます。nAChR受容体を標的とした創薬が期待されます。また、ストレスの回避や禁煙が、疾患の発症と悪化の予防に繋がる可能性があります。
|