研究課題/領域番号 |
16K10188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高木 学 岡山大学, 大学病院, 講師 (60452570)
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研究協力者 |
酒本 真次
河合 弘樹
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 抗NMDA受容体抗体脳炎 / 統合失調症 / 気分障害 / 抗体価と精神症状 / 神経発達障害 / プライマリーカルチャーニューロン / 免疫療法 / cell based assay法 |
研究成果の概要 |
精神症状が先行又は精神症状のみの抗NMDA受容体脳炎が多く報告され、精神疾患の病態に抗NMDA受容体抗体の関与が示唆される。精神疾患患者190例の髄液、血清でcell based assay法で抗体検査を行い、統合失調症、気分障害が当初疑われた患者7例で抗体陽性となった。これら患者は、向精神薬は無効で、抗NMDA受容体抗体脳炎として、免疫療法にて完全又は部分寛解を認めた。また抗体価と精神症状に相関を認めた。ラット大脳皮質プライマリーカルチャーニューロンに抗NMDA受容体抗体を処置したところ、神経突起伸長、中心体消失遅延(神経遊走障害)、樹状突起形成が障害され、抗体除去しても不可逆であった。
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自由記述の分野 |
精神神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗NMDA受容体抗体脳炎は抗体除去により予後良好であるが治療が遅れた場合など時に重篤となる。精神症状のみで精神疾患として慢性の経過をたどっている場合や妊婦が抗NMDA受容体抗体脳炎に罹患した際の胎児の場合、抗NMDA受容体抗体に神経細胞が長期間暴露されることで、神経発達に不可逆な影響を及ぼす可能性が示唆された。今後、抗NMDA受容体以外に対する自己抗体の検索も行っていく必要がある。精神疾患に対して、早期の免疫療法(ステロイドパルス療法、血漿交換療法、免疫グロブリン大量療法、リツキシマブによる抗腫瘍療法)が有効である可能性が示唆された。
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