研究課題/領域番号 |
16K10277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白神 宜史 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00560400)
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研究分担者 |
池田 隼人 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教 (30649083)
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アルファ線 / 核医学治療 / 内容療法 / アミノ酸 / すい臓がん / グリオーマ / 甲状腺がん / アスタチン |
研究成果の概要 |
α線を放出してがんを治療する新しい抗がん剤を見出すことに成功した。アスタチン-211(211At)と呼ばれるα線放出核種をアミノ酸を始めとする低分子に標識する方法を発明した。これらの211At標識化合物を脳腫瘍、すい臓がんおよび甲状腺がんを移植したマウスに投与したところ、いずれの病巣も顕著に縮小し、かつ1回のみの投与でその治療効果が2ヶ月間持続することがわかった。これらの211At標識化合物は、画像診断も可能なので、診断と治療が一緒にできるという特長もある。現在、薬物動態試験および毒性試験等の非臨床試験を開始したところである。2年内に医師主導治験を開始すべく、準備中である。
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自由記述の分野 |
核医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日のがん治療は著しく進歩しているが、未だに脳腫瘍やすい臓がんの5年生存率は極めて低く(10%未満)、既存のいかなる治療法によっても治療が困難ながんである。甲状腺がんのように5年生存率が高い場合でも(>90%)、まったく治療法のない難治性型の患者さんも一定数いる。我々の開発した新しいがん治療法、α線核医学治療は、アスタチン-211を分子標的化合物に標識することにより、患部をα線で狙い撃ちする(一気にたたく)新しいコンセプトを提供するものである。化学療法ではどんなに優れた薬剤でも耐性の発現や遺伝子変異が避けられない問題となるが、α線核医学治療ではそれらの影響をほとんど無視できる点が有利である。
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