肝実質の31P MRスペクトロスコピーを、糖尿病治療食での食事療法直前と食事療法開始1週間後の2回撮像した。肝臓の糖代謝に半定量的に評価する方法として、β-ATPの信号強 度と全Pスペクトルの信号強度の比(β-ATP比)が最も適していた。食事療法が奏功しなかった群に比して、食事療法が奏功した患者群では、食事療法開始1週間 後のβ-ATP比がより上昇した。本研究では撮像体位を含めた31P MRスペクト ロスコピーの至適撮像条件を確立することができた。さらに臨床例での検討から、肝臓の糖代謝の変化を評価する方法として、31Pを用いたMRスペクトロスコピーが有用であると思われた。
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