研究実績の概要 |
ブタの頸動脈に作成した動脈瘤(4瘤)に対しベアコイル+Fiberedコイルによる塞栓63日後の血管造影ならびに肉眼像の検討を行った. 【コイル塞栓(ブタ13週, 40Kg)】[A]4.52×4.68×3.56mm, ネック3.77mm; GDC10 360 STD 5mm×15cm, GDC10 360 STD 5mm×15cm, GDC18 Vortx 2mm/3cm; VER 44.1%. [B]5.05×4.78×4.85mm, ネック4.55mm; GDC10 360 STD 5mm×15cm, GDC18 Vortx 2mm/4cm, GDC18 Vortx 2mm/4cm, GDC18Vortx 2mm/3cm, GDC18Vortx2mm/3cm; VER 31.4%. [C]5.29×6.06×5.46mm, ネック4.42mm; GDC10 360STD 5mm×15cm, GDC18 Vortx2mm/4cm, GDC18 Vortx2mm/4cm, GDC18 Vortx2mm/3cm; VER 18.6%. [D]4.30×5.10×4.12mm, ネック3.49mm; GDC10 360 STD 5mm×15cm, GDC18 Vortx2mm/4cm, GDC18 Vortx2mm/4cm, GDC18 Vortx 2mm/3cm; VER 35.4%. 【血管造影評価】[A, B, C, D];すべての群でホワイトカラーサインなし. 【直接所見評価】[A(ベアコイル単独)]ループ以外は内皮形成あり.Coil ループあり. [B] Coilが透見可能. [C]周囲組織の癒着が強い.[D] Coilが 透見可能. ネック部分の収縮変化あり. 内膜面不整形成. 以上, これらの結果とこれまでの実験結果との比較では, Fiberedコイル塞栓では肉眼所見での内皮形成が薄く, PGLAコイルを併用した時よりも内皮形成性が低下していることが判明した. 詳細な組織学的比較は平成29年度に持ち越された.
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今後の研究の推進方策 |
今後はコイル強度を測定する物理学的実験, 実臨床での塞栓効果の追跡, 学術発表が主な研究となる.【物理学的アプローチ】血流/血圧を模倣した循環モデルを用いて, 動脈瘤モデル塞栓後のコイル状態を経時的に動態追跡カメラで観察する.循環動態・動脈瘤モデルの条件や塞栓率を一定として, 3Dコイル(0.018inch)単独, 3Dコイル(0.018inch)+Fiberedコイル(0.018inch), Fiberedコイル(0.018inch)単独での物理学的強度や形状保持性を確認する.本研究では直接的に血圧・血流ストレスがかかる部分に瘤を形成し,過酷な条件下での形状保持性と強度を確認する.また,モデル動脈瘤の瘤径,瘤形状,広頚姓を変えて検討する.【臨床的アプローチ】前回の基盤研究(C)ならびに本研究の平成28年度の計画を継続して行う.実際にヒト末梢領域動脈瘤に対して戦略的塞栓:3Dコイル(0.018inch)+PGLAコイル(0.015inch)+Fiberedコイル(0.018inch)による塞栓を行う.内皮形成性やと瘤内再灌流の有無を血管造影にて, 半年後, 1年後, 2年後, 3年後に確認する.5-10件/年程度の症例を見込んでいる.
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