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2017 年度 実施状況報告書

大きく不定形な末梢領域動脈瘤に対する機能温存と無再発をめざす経済的塞栓術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10355
研究機関札幌医科大学

研究代表者

廣川 直樹  札幌医科大学, 医学部, 講師 (30404718)

研究分担者 宇佐見 陽子  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20572530)
奥田 洋輝  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (40753140)
斉藤 正人  札幌医科大学, 医学部, 助教 (70551109)
小塚 陽介  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50808160)
大谷 緋美  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10808158)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード末梢動脈瘤 / 腹部動脈瘤 / 塞栓
研究実績の概要

【生物実験】ブタに人工瘤を作成し, コイルをP群 platinum(n=2), B群 bioactive(n=2), FP群 fibered+platinum(n=4), FB群 fibered+bioactive(n=4)に振り分けて塞栓を行った. 63日後の組織学的組成は, 内膜厚に4群での差はなく, bioactive混合群で線維化が有意に多く, fibered混合群で有意に巨細胞が多く, 何れも非器質化血栓は認められなかった. bioactive coilは創傷治癒促進させ, Fibered coilは肉芽腫となり瘤内で物理学的強度を上げる可能性が示唆された.【物理実験】血管モデルに, 3D-bare coilであるGDC coilとTARGET XXL coilを塞栓し, 壁に対する力学的負荷を段階的に測定しcoilの種類別に比較した. 円柱血管モデルでは, 0 .1mm間隔圧縮での反発力は, GDC ,XXLともに比例関数的に増大し, GDCはXXLより強度が常に大きかった. 動脈瘤モデルでは, 同じ大きさで同じ本数のGDCまたはXXLをそれぞれコイリングし, 0 .5mm間隔圧縮で反発力を比較した. 2本, 3本, 4本の塞栓における各々の回帰直線のy切片の平均はGDC ,XXLのそれぞれで, 14 .5mN, -7 .8mNだった. また, 傾きの平均はXXLがGDCの約2 .8倍だった. これらから, 少数coilでのcoilフレーミングでは, GDCでは外向きの力がXXLより強い一方で, XXLは塞栓率が高くなるにつれて反発力が高まることがわかった.【臨床経過】戦略的塞栓例が24例となった.半年、1年、2年、3年と血管造影検査にて治療効果を評価中である. 完全塞栓23例, 頚部残存1例, 瘤内残存0例であり, 現時点での臨床成績は良好である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生物学的実験は完了した.残るは物理学的実験と臨床成績報告であるが,物理実験はおおむね順調で今後は下記のような推進方策を考えている.臨床成績報告は30例を予定しているが,現在24例でおおむね順調である.

今後の研究の推進方策

生物学的実験は完了し現在論文投稿中で結果待ちの状況である.物理実験はデジタルフォースゲージによる塞栓瘤の押し込みによる圧測定を行ったが,強い押し込みが生理的にはあり得ないことと,強い押し込みによる圧は,コイルVolumeがあればあるほど高くなることが推察される.一方,1㎜までの押し込みが本当の値を示している可能性が今回の実験から判明した.このため,今後は塞栓前より母血管の押し込みを‐0.5㎜もしくは‐1.0㎜で行っておき,コイル塞栓後に圧を測定を行う予定.具体的には,コイル径を変えて数種類の塞栓を行い各種で測定か,コイルを複数個充填していく測定を考えている.臨床成績報告は30例まであと6例だが,現時点(H30年4月1日現在)で3例の追加予定がある.今年度までに残りの3例を追加できる可能性は高い.

次年度使用額が生じた理由

生物学的実験が追加実験なく完遂したこと、物理学的実験の物品購入費が予定よりも少なく済んだことから生じています。今後は、最終的な物理実験や研究発表に残額を使用します。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ベアコイル,Fibered コイル,PGLA コイルを用いた塞栓瘤における病理組織学的差異2018

    • 著者名/発表者名
      宇佐見陽子、廣川 直樹、齊藤 正人、奥田 洋輝、大谷 緋美、坂田 耕一、長谷川 匡
    • 学会等名
      第69回 北海道血管造影 Interventional Radiology研究会
  • [学会発表] 腹部動脈瘤に対するコイル塞栓術の成績-3次元ならびにPGLAコイル, Fiberedコイルを用いた塞栓‐2017

    • 著者名/発表者名
      奥田洋輝、廣川直樹、宇佐見陽子、坂田耕一
    • 学会等名
      第46回IVR学会総会
  • [学会発表] 腹部コイル塞栓術における塞栓効果とコストの両立を目指す ‐新たなエンドポイントの追求‐2017

    • 著者名/発表者名
      廣川直樹
    • 学会等名
      第46回IVR学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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