研究課題/領域番号 |
16K10446
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
秦 広樹 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80638198)
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研究分担者 |
小林 順二郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 副院長 (20393233)
藤田 知之 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (10457012)
福嶌 教偉 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (30263247)
植田 初江 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (40522983)
瀬口 理 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (60570869)
松本 順彦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (10781908)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 左心補助人工心臓 / 僧帽弁閉鎖不全症 / 大動脈弁閉鎖不全症 / 三尖弁閉鎖不全症 |
研究実績の概要 |
本研究の一つ目の目的は、重症心不全患者に対する長期の左心補助人工心臓(LVAD)補助が大動脈弁、僧帽弁、三尖弁に与える影響を生理学的及び組織学的・病理学的に評価・解析することである。 これまで、国立研究開発法人国立循環器病研究センターにおいて、LVAD長期補助後の大動脈弁閉鎖不全症の発生状況や大動脈弁の変性に関して解析したデータや三尖弁閉鎖不全症と右心不全の関連に関するデータなどの蓄積があり、平成28年度は更にそれらに追加検討を加え、中等度以上の大動脈弁閉鎖不全症や三尖弁閉鎖不全症に対しては、LVAD装着術の際に外科的介入を加えるべきであるとした。それらの詳細については平成28年度の「日本心不全学会学術集会」で口演発表した。 さらに「人工心臓と補助循環懇話会学術集会」、「日本人工臓器学会大会」に参加し他施設の研究成果を収集し情報交換を行った。 また、僧帽弁閉鎖不全症に関してもデータを収集・解析を加え、LVAD長期補助後の左心室のリバースリモデリングや僧帽弁尖や弁輪の形態的変化についても検討を行った。 その結果、現時点ではLVAD装着時に僧帽弁閉鎖不全症は必ずしもすべて外科的介入を必要としないのではないかという知見を得た。その詳細については、「30th EACTS (European Association for Cardio-Thoracic Surgery) Annual Meeting 欧州胸部心臓血管外科学会」にて口演発表を行った。平成28年11月に所属施設が国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科に移ったが、同施設においてもデータ収集を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LVAD補助と心臓弁膜症の関連に関し、大動脈弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症に関してはデータを収集し学会発表や情報交換が順調にできている。 僧帽弁閉鎖不全症に関してはまだ他施設からも報告が少なく、そういう意味では先進的な取り組みであり、既に一定の結果を国際学会にて発表できている。
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今後の研究の推進方策 |
さらにデータを収集・解析し、また他施設の研究成果を収集して検討し、それらを論文にまとめて発表していく。 さらには新施設においても同様の解析を加え、より普遍的なLVAD補助下の心臓弁膜症と予後や合併症の関連因子を見出すことをすすめていく。 それらの結果を役立てて、本研究の最終的なの目的である、重症心不全患者に対する心移植への橋渡しではない左心補助人工心臓(LVAD)補助、いわゆるDestination Therapyにおいて良好な成績を保つこと、を達成したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費、人件費の支出が予想より少なく抑えられたため。
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次年度使用額の使用計画 |
データ解析ソフトの購入や、データ管理・解析専用研究者の短期雇用を検討している。 さらに積極的に国内外の学会にて業績発表や情報収集を行う予定にしている。
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