本研究では、全身麻酔中の栄養投与で入院期間の減少と術後の合併症を少なくすることを目的として「手術中の至適栄養投与量の基準値」を明らかにすることである。 今回の大腸癌手術時の研究では、手術中の栄養投与(アミノ酸、ブドウ糖、脂質)によって術中の低血糖を抑制するとともにケトン体産生減少などの脂質異化抑制効果とタンパク質代謝の指標の窒素バランスが正になることが証明された。 入院期間の短縮(非投与群平均 16 日に対し、栄養投与群平均 9 日)と術後合併症(手術部位感染:非投与群 3 例に対し、栄養投与群 1 例)が少なかった。 術中の栄養投与は組織の修復を早める可能性がある。
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