本研究では数値流体力学的解析結果を脳動脈瘤に応用することで血管内手術後の脳動脈瘤の再発の予測因子を探索した。その結果血管内手術によってコイルで塞栓された部位の圧力が高まることが危険因子であった。本解析は従来の数値流体力学的解析と同様に全ての患者に同じ条件で行っており、本来異なる個人差に基づいて解析していない点に問題があると考えられた。しかしこの問題は解析による結果の無次元化によって解決し、動脈瘤の再発因子である圧力差は感度100%、特異度93%と高い数値を示した。以上より当初必要と考えられた解析の個別化は不要で、本研究によって数値流体力学的解析による精度の高い治療前の再発予測が可能となった。
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