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2016 年度 実施状況報告書

超低磁場MRIの開発と分子イメージング技術を用いた頭蓋内疾患への応用基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K10796
研究機関旭川医科大学

研究代表者

露口 尚弘  旭川医科大学, 医学部, 准教授 (50295705)

研究分担者 小山 大介  金沢工業大学, 先端電子技術応用研究所, 准教授 (60569888)
宇田 武弘  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70382116)
足立 善昭  金沢工業大学, 先端電子技術応用研究所, 教授 (80308585)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード動物用小型MEG / 超低磁場MRI / 脳アミノ酸代謝 / 脳ブドウ糖代謝 / MEG
研究実績の概要

超低磁場MRIと脳磁図(MEG)のコンビネーションシステムである脳磁図融合超低磁場MRI(ULF SQUID-MRIと略する)の構築をもとに小型動物の脳の解剖画像と電気生理学的情報を検出し、PETによる代謝画像を加味することでULF SQUID-MRIのデータの妥当性と特徴を検証するのが目的である.
我々は現在までの研究で9チャンネル小型脳磁図測定装置(micro MEG)と ULF MRIのプロトタイプを完成させた。このmicro MEGではラットの心磁と脳の磁場、てんかん波を測定を可能にした。さらに1チャンネルMEGと超低磁場MRIを1つの装置に組み込みこんだULF SQUID-MRIでラットの脳の画像を検出した。しかし、SQUI MRIの解像度は頭部の描出できる程度で脳を十分に描出できなかった。そこで既存の手法とは異なったinduction coilを用いたULF MRIを考案した.従来の実験装置を元に新しくハードを構築し、初期段階としてその特性を検証した。さらに水を主体とした円筒のファントムを制作し、画像の描出を試みた.現段階においては2次元イメージで以前のシステムと同レベルの解剖学的画像を得られているが、追加実験を進行している.
代謝画像については、脳病変に対するイメージングとして11C-methionineを用いていたが、これは半減期が短いため使用が制限される。臨床的には半減期の長い18Fを標識したアミノ酸PET製剤の治験が進んでいるため、まずはその新規薬剤の特徴を把握するため臨床研究に取り組んだ.新規薬剤はヒト脳腫瘍の描出がmethionineに劣らず有用であることが示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

すでに小型脳磁図測定装置(micro MEG)によるラット脳磁は測定可能となっているが、ULF SQUID-MRIにおいてラット脳の解剖学的構造の描出に満足いく結果を得られていない.その原因としては測定時間が長くかかるため、ラットの体動や装置から発生する熱により信号が安定しないため画像解像度が上がらないと考えられる.そのため、いったん、2つの装置を切り離し、ULF MRIをinduction coilを用いた方法に変更した.これはSQUIDを用いた装置よりも取り扱いが簡便であるという大きな利点がある.現在まで、装置の組み立てとその特性を検証しファントム画像の描出に成功している.
代謝イメージングにおいては従来糖代謝の指標であるFDGとアミノ酸代謝の指標であるメチオニンを使用していたが、後者では短半減期の11Cを指標としているためサイクロトロンを稼働させないと使用できず研究推進の律速段階であった.11C-methionineの汎用性に欠ける点を補うため、開発中の18F-アミノ酸PET製剤を用いた研究を考案している. Micro PETのハードトラブルで実際の脳代謝は測定できていないが、その間18F-アミノ酸PET製剤の臨床評価が可能となった.そして、脳における病変のアミノ酸代謝を描出できその有用性を検証できた.

今後の研究の推進方策

1.解剖学的情報および電気生理学的生体信号の合成
Induction coil ULF MRIの特性の検証繰り返すことでハードを改良し、ラット脳の病変が十分に検出できる解像度まで達することが目標となる.ULF MRIとSQUID (MEG)をfusionする方法を検討する.2つの装置をハード的に融合さすか、別の装置として稼働させソフト的に融合さすかを検討する.当面は後者の試みを中心に研究を組み立てる.
2.代謝イメージングの検出と1のデータとの融合
新規PET製剤のさらなる臨床的検証を行う.汎用使用可能後は動物実験を行いラット脳についての正常分布を脳のスライスで検討する.Micro PET装置の稼働に問題が生じれば研究方針を変更する.データの融合は従来のmicro PETの解析方法で行う.

次年度使用額が生じた理由

初年度は既存の解析システムとソフトを使用したため経費が削減された。
一部装置の稼働が行われていなかったため、それに伴う必要経費が不要であった。

次年度使用額の使用計画

新しい解析装置とソフトの導入に経費を充当する。
国際画会への参加経費に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 体性感覚誘発磁場(SEF)2017

    • 著者名/発表者名
      露口尚弘 鎌田恭輔
    • 雑誌名

      クリニカルニューロサイエンス

      巻: 35 ページ: 210-214

  • [学会発表] Sensing System for Magnetic Resonance Signal at Ultra-low Magnetic Field2016

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Oyama
    • 学会等名
      International Workshop on Magnetic Bio-Sensing
    • 発表場所
      Fukuoka
    • 年月日
      2016-10-12 – 2016-10-14
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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