本研究代表者らは、ヒト骨肉腫細胞を用いた自然肺転移モデルマウスへのmiR-143静注による肺転移抑制効果を実証してきた。本研究では、イヌを対象とした前臨床試験の実施を念頭に、イヌ骨肉腫細胞へのmiR-143導入による浸潤・転移抑制効果を検討した。miR-143は、イヌ骨肉腫細胞の浸潤能を抑制し、自然肺転移モデルマウスへの投与による転移抑制効果を示すことを明らかにした。イヌ個体へのmiR-143投与には、安全性や腫瘍細胞への導入効率の良いキャリアが必要である。ペプチドやキトサンをmiR-143と混合し溶解性および細胞導入効果を検証したが、適切なキャリアを見出すには至らなかった。
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