脊椎靭帯及び大関節周囲部に生じる異所性骨化症は、発生部位とその病態により、四肢麻痺や関節拘縮などの原因となる。有効な予防および治療法を確立するため、本研究はその発症機構と病態形成のメカニズム解明を進めた。マウスの踵骨腱切離モデルを用いて加齢・炎症・神経障害に基づく異所性骨化発症の病態理解を進め、運動負荷に伴う骨化促進に関わる分子を同定した。培養腱細胞の実験系で、予防・治療法開発に寄与する基盤的知見を積み重ね、腱および靭帯組織由来の異所性骨化症の発症に関わると推定された活性酸素と核酸代謝産物の影響を明らかにした。
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