去勢抵抗性前立腺癌の新規薬剤耐性の分子機構の解明とオーダーメイド治療への応用

2020 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 16K11030
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 泌尿器科学
• 研究機関: 東邦大学
• 研究代表者: 鈴木 啓悦 東邦大学, 医学部, 教授 (60301818)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 前立腺癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 / ホルモン療法 / プロテオミクス / アンドロゲン受容体 / アビラテロン / エンザルタミド

研究成果の概要

前立腺癌の治療体系においてホルモン療法は主治療のみならず，補助・併用療法として広く施行されている。ホルモン療法の最大の障害は，癌細胞のホルモン療法抵抗性の獲得による病状の進展である。特に近年，アンドロゲン-アンドロゲン受容体系の重要性が再認識されてきている。
このような中で患者ごとに最適な治療方法を選択するためのオーダーメイド・ホルモン療法を提供するために、基礎的研究にて、原因蛋白質の探索を中心に、従来からのバイオマーカーのほか、遺伝子多型などのゲノムマーカーも含めて解析した。臨床的にも進行性前立腺癌に関する分子機能的診断や新規薬剤の臨床試験データの報告を含めて報告した。

自由記述の分野

泌尿器科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

前立腺癌は、高齢化社会の到来や生活習慣の欧米化もあって、日本においても急増しており、特に発症頻度では男性の悪性腫瘍の上位に位置している。日本の新規前立腺癌患者の約15%程度は転移病期で診断される事から、医学的にも、社会的にも、進行性前立腺癌の病態解明や診断・治療の進歩が急務である。本研究では、進行性前立腺癌の治療体系において、最も重要な選択肢のひとつであるホルモン療法の（去勢）抵抗性の分子生物学的解明と、その治療への応用を目指した、実践的な研究と考える。