ヒトパピローマウイルスは、性行為によって起こる感染症であり、遺伝子型により高リスク型と低リスク型に分けられる。高リスク型は、子宮頸癌の病因として知られている。本研究では、ヒトパピローマウイルス感染による妊娠中の母体や胎児への影響について明らかにするために、原因不明の慢性胎盤炎の胎盤組織を用いて、1) ヒトパピローマウイルスの胎盤における局在、2) ヒトパピローマウイルスの遺伝子型の決定、3) 慢性胎盤炎にみられる妊娠合併症との関連について調べた。原因不明の胎盤炎では、高リスク型のヒトパピローマウイルスが胎盤に感染しており、早期産、低出生体重、妊娠中毒症の発症に関連していることが示唆された。
|