我々の研究の結果では、たった3時間のPAR2拮抗剤による治療でVEGFシステムを介して急性敗血症モデルの多臓器不全の進行を抑制し、改善効果をもたらした。このPAR2は早期敗血症において血管新生系のVEGF、エンドセリン(ET)そして炎症系(TNF)のカスケードと近い関係性を持っており、多臓器不全の進行と発生に関わる。心筋細胞と肺のマクロファージを用いたin vitroの研究においても、PAR2拮抗薬とVEGF阻害薬を使用することでVEGFとPAR2の関係性を確認できた。これらの一連の研究から敗血症早期におけるPAR2の阻害はVEGFシグナルを通して心機能障害、肺障害の治療と予防に効果的がある。
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