研究課題/領域番号 |
16K11596
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
柳沢 志津子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 講師 (10350927)
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研究分担者 |
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (90193432)
後藤 崇晴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (00581381)
吉岡 昌美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 准教授 (90243708)
白山 靖彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (40434542)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔機能維持・管理 / 介護従事者 / 歯科・福祉の連携 / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
本調査の目的は,口腔機能維持・管理に関する自己評価と客観的評価を併せて行うことで,口腔機能維持・管理に関する認知の歪みを明らかにすることである。本年度は介護保険施設の介護従事者を対象とした郵送調査及び訪問調査を実施した。 郵送調査は,徳島県内の介護保険福祉施設(特別養護老人ホーム)8施設及び岐阜県内2施設に勤務する介護従事者〔各30名,合計300名〕を対象として,①口腔機能維持・管理に関する知識,②歯科に対する認知及び感情,③歯科保健行動,④口腔健康自己評価に関するアンケート調査を行った。 訪問調査は,上記10施設のうち調査協力の同意を得られた8施設において,介護従事者を対象に①口腔機能・維持管理の捉え方,歯科専門職との関係構築プロセスに関するインタビュー調査と②介護従事者自身の口腔ケアと歯垢染め出し液による磨き残しの確認,③要介護高齢者に対する口腔機能維持・管理業務(口腔ケア,摂食嚥下リハビリテーション,食事介助)の様子を観察した。現在,収集したデータの分析を終え、雑誌への投稿準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実態調査を踏まえ,関係研究者および介護従事者らによるミーティングを実施した。現在,調査結果に関して、分析を進め,原著論文として投稿の準備を進めるとともに,徳島大学歯学部で開発した『口腔保健支援ICTシステム』への導入を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,実態調査の結果に基づき,関係研究者および介護従事者らによるミーティングを引き続き開催して,適切に伝わる「口腔機能維持・管理能力向上プログラム」を開発する。また, プログラムの有用性を検証するため,調査協力を得た4施設を対象とした介入研究を行い,患(利用)者の口腔機能の維持・改善状況をアウトカム評価として介入群に定式化したプログラムを実施し,プログラムの有用性を検証する。具体的には,介入群・対照群それぞれに,介護従事者を対象とした調査(口腔内診査,細菌数,ブラッシング実技後,歯垢付着度,使用歯ブラシの状態,利用者に対する口腔ケア実技,「介護職のための口腔評価指標」を用いた利用者の口腔機能評価),利用者を対象とした調査(口腔内診査,細菌数,口腔機能評価,認知症自立度,要介護度,食形態,摂食状況)を実施する。介入効果として,介護従事者のメタ認知の歪みの有無,利用者の口腔評価指標の介入前後の数値変化について,統計分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、郵送調査の対象施設を全国の介護保険施設(1,000施設)と設定していたが、回収率などを検討した結果、大学所在地の徳島県の介護保険施設(75施設)に変更した。そのため、調査票印刷費、通信費が大幅に縮小した。また、今年度,海外学会に発表するよう演題登録を行っていたが,自然災害(火山噴火)の発生により渡航を断念しテレビ会議による学会参加となった。そのための旅費が未使用のまま残された。 繰り越した研究費は、当初の予定通り、通信費や印刷費,調査協力施設までの交通費など,介入研究の実施に係る費用,成果発表のための論文掲載料に充てる。
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