本研究では、歯科用インプラント材料として用いられる純チタン試料上に、原子層堆積(ALD)によってジルコニアまたはシリカの超薄膜を成膜し、同試料上における細胞増殖能を評価した。 ジルコニアまたはシリカ超薄膜試料の溶出試験において、ジルコニウムあるいはシリコンとも検出限界値以下であったことから、何れも純チタン表面上に化学的に安定して成膜されていることが分かった。また 細胞増殖試験の結果から、特にジルコニア超薄膜試料は、純チタンあるいはシリカ超薄膜試料よりも骨芽細胞様細胞との親和性が高いことが示唆された. 以上から、原子層堆積は純チタンの新たな表面処理法となり得る可能性があると考える。
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