研究課題/領域番号 |
16K11910
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田中 裕二 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (40179792)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 神経科学 / 神経生理学 / 看護技術 / 高次脳機能 / 意識rベル / 意識障害 / 感覚刺激 / 科学的根拠 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,意識障害患者の意識レベルを改善するための看護ケア技術にはどのようなものがあるかについて国内および海外で実態調査を行い,そのエビデンスを明らかにすることと,健常者を対象に意識レベルを改善する看護ケア技術を科学的に検討することで看護ケアの科学的根拠を解明することの2つである。 平成28年度は,海外で実態調査を行うための基礎資料となる情報を収集するために,日本および海外における意識障害患者に対する看護ケア技術について文献検討を行った。日本では,2013年に遷延性意識障害のケアについての文献的な調査が行われた。その結果,看護介入は「生活援助」,「合併症予防」,「生活行動の回復」を目的として行われていた。また,海外文献については,「Disturbance of consciousness」をタイトルに含むものを検索した結果,106件の文献が抽出された。海外の文献には英語の他,ドイツ語,フランス語,中国語で書かれた文献も少なくないため,各国で独自の看護ケアが展開されている可能性が推測される。 また,臨床から得られたエビデンスに基づいて,健常者を対象に意識レベルを改善するための看護ケアの科学的根拠を解明するための実験計画を作成した。具体的には,姿勢(背面開放座位)や種々の感覚刺激(痛覚刺激,聴覚刺激,芳香刺激,温浴刺激など)が意識レベルにどのように影響しているかを生理学的指標(脳波,覚醒レベル,自律神経活動,バイタルサイン,筋電図など)および心理学的指標から検討することである。生理学的指標である脳波,覚醒レベル,自律神経活動は既存の機器で計測することができるが,さらにバイタルサインの変化を連続的に測定するために申請した研究費によりベッドサイドモニタBSM-3000シリーズ(ライフスコープVS;BSM-3562:日本光電)一式を購入し,実験システムのセットアップを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ベッドサイドモニタ一式(日本光電;BSM-3562)を購入後,卒業研究の時期に重なり,実験室を使用することができなかったために実験システムのセットアップを実施したのみになってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
1.意識障害患者に対する看護援助技術の実態調査(国内および海外):意識障害患者に対して意識レベルを改善する目的で行われている種々の看護援助技術について国内外の文献を検討するとともに,国内および海外の施設において実態調査を行い,そのエビデンスを明らかにする。具体的には,欧米諸国における意識障害患者に対する看護援助について,どのような生理的メカニズムに作用することを目的に実施されているのかについて明らかにする。また,看護ケアの文化的な相違についても検討するために,アジア地域として大韓民国(韓国)での看護援助技術について調査することで,欧米およびアジア諸外国における意識障害患者に対する考え方や看護技術について文化的な背景を視点に検討する。
2.実験研究の実施:今までの研究報告から,背面開放座位は意識レベルの改善に効果があることが示されている。さらにどのような刺激を背面開放座位実施時に併用すれば意識レベルの改善に効果があるかについて,健康な成人(20~30歳代)を被験者として,覚醒レベルと刺激の種類(痛覚刺激,聴覚刺激,芳香刺激など)および刺激強度との関係を生理学的指標(覚醒レベル,脳波,自律神経活動,筋電図,体性感覚誘発電位,バイタルサインなど)および心理学的指標から検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していた看護ケアの文化的な相違について検討するための海外視察が日程的な問題で実施することができなかったために次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
看護ケアの文化的な相違について検討するために,アジア地域として大韓民国(韓国)とヨーロッパ地域としてフランス共和国の訪問を計画している。
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