研究課題/領域番号 |
16K12004
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 まゆみ 共立女子大学, 看護学部, 教授 (70316636)
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研究分担者 |
金子 多喜子 杏林大学, 保健学部, 講師 (60583911)
中原 るり子 共立女子大学, 看護学部, 教授 (90408766) [辞退]
山崎 章恵 共立女子大学, 看護学部, 教授 (50230389)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護職 / キャリアレジリエンス / キャリアモチベーション / キャリアレジリエンス獲得過程 / ストレス対処 / 感情調整 / 職業的アイデンティ / キャリア成熟度 |
研究実績の概要 |
昨年度,研究1として,病院勤務の看護師21名を対象にインタビュー調査を行い,キャリアレジリエンス獲得過程や獲得支援の様相を質的に検討した結果,次のことが示唆された。 看護師は看護師職業生活,人生一般の体験並びに自我同一性により,漠然とではあるがキャリアビジョンを抱いていた。そのビジョンがキャリアモチベーションとなり,個性的なキャリアパスを描き,順調にキャリアが進展すればキャリア形成の結果として職業的アイデンティティの確立や自我に対する本来感の自覚を経験していた。しかし,キャリア形成の過程では,①環境や役割の変化への適応感,②職業的ストレスへの対処状態,③本来感とキャリアビジョンの一致・混乱などによって,キャリアモチベーションは影響を受けやすく,そのモチベーションを低下させないように自己調節することが求められていた。キャリアモチベーションの自己調節は,キャリア成熟度(関心性,自律性,計画性)やキャリアレジリエンス(対人スキル,情報収集・資源の活用,リフレクションによる自己理解,ストレスフルな状況に対する認知の修正,感情調節,チャレンジ,肯定的未来志向)によって行われていた。 上述の研究結果を基に,研究2では,看護師キャリアレジリエンス獲得支援に関する基礎的研究として,①キャリアレジリエンス,キャリア成熟度,職業的アイデンティティ並びに本来感の関係を明らかにする,②キャリアレジリエンスのキャリアステージ別の特徴を明らかにし,その獲得支援プログラムに関する示唆を得ることを目的とし,医療機関に勤務する看護職者750名を対象に平成30年2―4月にかけてWEB,郵送などの方法で質問紙調査を実施した。現在は集計が終了し,分析中である。 研究2の調査研究で使用した尺度の一部はその信頼性と妥当性に関する論文が研究分担者によって公刊された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1.2に関する調査は,当初平成29年度で終了予定であったが,若干,遅れて平成30年4月までかかった。これから,これららのデータを分析し,国内外における学会発表や投稿を予定している。成果発表においては研究1の学会発表並びに投稿が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究1の質的調査は,国内の学会発表を経て,論文投稿を予定している。研究2の量的調査は,国内(看護科学学会平成30年12月)や国外(Hawaii International Conference on Arts & Humanities平成31年1月)に発表予定である。合わせて,投稿を行う予定である。 このため,分析や成果のまとめに対して,研究分担者を交代し,推進力を高めた。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,①研究1における成果のまとめが遅れ,学会発表のための国内旅費を未使用であること,②質問紙調査をWEB調査会社やホームページ立ち上げによるWEB調査を主に行ったことで,全体的に郵送費,人件費,印刷費などの費用が低減したためである。 次年度は,国内外の学会発表や投稿によって使用を計画している。
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