研究課題/領域番号 |
16K12014
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研究機関 | 聖マリア学院大学 |
研究代表者 |
白井 ひろ子 聖マリア学院大学, 看護学部, 講師 (90750191)
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研究分担者 |
藤野 成美 佐賀大学, 医学部, 教授 (70289601)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護管理者 / 怒り |
研究実績の概要 |
平成29年度の主な研究の成果について以下に述べる。 本研究の初年度である平成28年度に検討を重ね開発した「看護管理者のための怒り感情マネジメントプログラム」を平成29年度は介入研究として実施した。このプログラムは看護管理者の感情管理能力の向上や対人スキルの向上およびストレス低減に寄与できることを期待している。開発したプログラムは、研究計画に則り、弁証法的行動療法(DBT)におけるマインドフルネススキルとともに感情調節スキル、対人関係スキル、苦悩耐性スキルを部分的に援用した内容で構成され、合計6時間のプログラムとなった。プログラム参加希望者は研究者が実施する講演等で本研究の説明を口頭で行い公募した。なお研究協力者は当初の予定では看護師長と対象としていたが、研究協力者の確保が困難となり、看護師長以外の看護管理者(看護部長や看護副師長等)から参加希望の意向が多数寄せられたことを鑑み、職位を拡大し副看護師長や看護部長等を含む看護管理者を対象とすることとなった。介入の効果測定は介入前、介入直後、介入1か月後の3時点における質問紙調査により検討を行う。調査の内容は基本属性のほか、怒り喚起・持続尺度、ネガティブな反すう尺度、Five Facet Mindfulness Questionnaire日本語版(FFMQ)、ワークエンゲイジメント尺度、EQS(情動知能スケール)である。 今年度は合計6回の開催に対し、95名から参加の申し込みがあり、最終的には84名が介入研究に参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目である平成29年度は、検討を重ね構築してきた看護管理者を対象とする「怒り感情マネジメントプログラム」を介入研究として6回にわたり実施できている。本プログラムは弁証法的行動療法(DBT)に基づくマインドフルネススキルのほか、感情調節スキル、対人関係スキル、苦悩耐性スキルを部分的に援用し、受講者の感情マネジメントとストレスマネジメントが円滑に行えるようになることを目的としている。研究参加者から質問紙調査への協力が得られ、データが蓄積できていることから、最終年度は詳細な分析と結果の公表に向けた準備が整えられつつある。以上のことから本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
看護管理者の怒りの実態と感情マネジメントと日々の業務で感じるストレスマネジメントに寄与できることを目的に構築した「怒り感情マネジメントプログラム」の効果について分析を深め、教育効果とその有用性や課題について検討していく。さらに本研究で実施したインタビュー調査による看護管理者の怒り感情の実態と、介入研究として実施した「怒り感情マネジメントプログラム」に関する効果について、学会発表および論文投稿により結果を公表し、本研究により得られた知見を発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画段階で購入予定であった書籍や備品(プロジェクターなど)の金額や貸会議室の利用料金が予想と乖離していたことから残額が発生した。 繰越金は、研究結果を分析する際に必要となる書籍類の購入および結果の公表のための資金として充当する予定である。
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