研究課題
分娩第Ⅱ期持続時間と母児のリスク発生率との関連については、初産婦を対象とした後方視的コホート研究により、4時間以上を要した群では、帝王切開術や第Ⅲ度、Ⅳ度の会陰裂傷が高い割合で出現したこと、新生児については、新生児仮死の割合やNICU入院率に差を認めなかったことが報告されている。また、2時間以上を要した群では、羊水混濁が有意に出現したことが明らかになっている。本研究は、自然分娩の初産婦を対象に、分娩第Ⅱ期持続時間が、母体および新生児の周産期リスクの発生率に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。正期産・頭位・単胎で自然分娩をした日本人の初産婦1,240名を対象とした後方視的観察研究である。2017年に慶應義塾大学大学院研究倫理審査委員会の承認を得たが、今年度は、対象のオプトアウトに関して専門家等の意見を踏まえ、より詳細な実施計画を策定した。また、文献検討結果について学会報告を行った。研究実施施設の倫理審査であるが、当該施設は、2018年3月30日に臨床研究審査委員会に認定された関連医療機関であり、審査手続きおよび申請書類等が一新され、従来とは異なる対応が必要となった。そのため申請準備に時間を要した。これにより、研究全体の進捗に遅れが生じ、2019年2月に倫理申請(迅速審査)し、承認通知を2019年4月1日に受領した。当初の計画を完遂するため、大学院研究倫理審査委員会に研究期間の変更を申請し、承認を得たうえで、研究実施施設(変更申請)の許可を受け研究を継続する予定である。
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Keio SFC Journal
巻: 18 ページ: 61-75