地域に居住しているハンセン病回復者の終末期ケアの課題について、当事者および医療機関の双方から検討を行うことを目的とする。全国の国立ハンセン病療養所委託先医療機関への質問紙調査および地域に居住するハンセン病回復者を対象とする質的帰納的研究を行った。その結果、1)当事者の終末期を支援する体制が整っていると回答したのは5.2%であり、課題として最多だったのは、後遺症に対する専門知識(48.3%)であった。2)当事者の終末期ケアの課題として、回復者らの多くは社会の中で最期を迎えたいという願いを持つ一方、ハンセン病によるスティグマが医療・ケアの選択や看取り場所といった意思決定に影響を与えていた。
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