研究課題/領域番号 |
16K12263
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
小原 弘子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (20584337)
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研究分担者 |
池田 光徳 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70212785)
森下 安子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (10326449)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 褥瘡 / 褥瘡リスクアセスメント / 皮膚ケア |
研究実績の概要 |
平成29年度は、平成28年度の研究成果である在宅療養者の褥瘡とその発生要因をもとに、ガイドライン項目について検討した。ガイドライン項目の検討においては、①褥瘡ケアにおける訪問看護師の判断に関する文献検討、②褥瘡リスクおよび褥瘡のある患者からのデータ収集の2つを実施した。研究計画段階では、文献検討後、訪問看護師へインタビューを実施し、判断やケアの実態を明らかにする予定であったがインタビューのみでは根拠に乏しいと考え、②のデータ収集を実施した。①文献検討では、訪問看護師にとってどのような情報が褥瘡ケアを判断するうえで有用かについて明らかにした。褥瘡ケアにおける訪問看護師の判断に関する文献はほとんどなく、褥瘡危険因子や褥瘡アセスメントをキーワードに国内外の文献を確認した。その結果、体圧に関する情報、組織耐久性に関する情報が有用であることが明らかとなった。この結果をもとに、②褥瘡リスクおよび褥瘡がある患者からのデータ収集を実施した。収集したデータの項目は、患者基本情報として年齢・性別・疾患・服薬など、体圧に関する情報として除圧方法・日常生活動作能力を含めた移動や体の動きの状況、組織耐久性に関する情報として、栄養状態(BMI・血清ALB値・食事の状況)・関節拘縮・褥瘡好発部位の皮膚生理学的指標(表皮および真皮水分量・TEWL・皮膚粘弾性・皮膚厚・皮膚温・皮膚発赤レベル)とした。データ項目が多く、皮膚生理学的指標については、直接対象者に機器を用いて計測するため、在宅療養患者では確保が難しく、病院に入院している患者を対象とした。現在、40名のデータを収集し、分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ガイドライン(案)の作成について、研究計画段階では文献検討後、訪問看護師へインタビューを実施し判断やケアの実態を明らかにする予定であったがインタビューのみでは根拠に乏しいと考え、褥瘡リスクおよび褥瘡のある患者からもデータを収集した。具体的には、文献検討より、褥瘡ケアを判断するうえで、患者の体圧および組織耐久性に関する情報が有用となることが明らかとなったため、これらのデータを収集した。データ収集では、診療記録や看護記録からだけでなく、対象者に機器を用いて、表皮および真皮水分量・TEWL・皮膚粘弾性・皮膚厚・皮膚温・皮膚発赤レベルというような、皮膚生理学指標を計測した。このように、ガイドライン(案)作成までに、研究プロセスを追加したため進捗が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
ガイドライン(案)は現在作成中である。次年度より、当初の計画通り、ガイドライン(案)を試行し、評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューによるデータ収集をしなかったため、反訳作業などの謝金が発生しなかった。また、研究成果の発表について、学会発表ではなく論文として誌上発表をしたため、旅費が発生しなかった。次年度、ガイドラインの作成や普及にあたって人件費・謝金の使用、成果発表を学会ですることによる旅費の使用をしていく。
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