研究課題/領域番号 |
16K12355
|
研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
桝田 聖子 関西医療大学, 保健看護学部, 准教授 (10454729)
|
研究分担者 |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70285360)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 認知症 / 小学生 / コミュニケーションロボット |
研究実績の概要 |
本年度は、教材の修正と評価(スライド、チューター役コミュニケーションロボット)を行った。 スライドの修正は、小学生の集中力を維持するために、内容を取捨選択して認知症の説明を必要最小限とした。Pepperについては、小学生がPepperの説明が聞き取りやすいようスピードと声の大きさを調整して児童に語りかけるよう設定した。また、今年度は、地域の認知症キャラバンの紹介、自治体の取り組みを保健師から紹介する内容を取り入れた。 今年度の認知症キッズサポーター養成講座はB町で開催した。参加者はポスターによる募集で申し込みのあった児童12名と保護者7名であった。B町の参加児童は、昨年開催した地域に比べて、Pepperに5回以上会った児童が半数であった。Pepperの話しについては、「片言で聞き取りにくかった」、「急に話が止まって聞き取りにくかった」との意見があった。スライド教材は「きれいでわかりやすい」、クリッカーについては「他の人の意見が分かっておもしろかった」との意見があった。認知症についての理解度については、養成講座の前後で「認知症は誰でもなる病気」、「困っているのは認知症の人とその家族」、「地域の見守りネットワークを知っている」の理解を深めた児童が5割から9割超となった。 このことから、認知症高齢者支援力育成教材として話す機能のあるPepperを使用することは、一緒に勉強することで仲間意識を持つため、児童が認知症について興味関心を喚起する可能性があると考える。また、スライド教材とクリッカー、Pepperを組み合わせて使用することで児童の認知症高齢者への理解を深めることができたと考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画から平成28年度の認知症キッズサポーター養成講座開催までともに進めてきたA地域で組織体制の変更があり、予定していた地域での継続が困難になった。そのため、B地域で行政保健師と協力して認知症キッズサポーター養成講座として希望者を募り、図書館で開催した。次年度、B地域で引き続き、対象地域を増やして実施する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、評価指標を作成し、プログラムの評価をしていく予定である。 認知症キッズサポーター養成講座はB町を中心に開催する予定である。交渉の結果、小学校での開催は難しいと考えられ、PTAを中心とする保護者会に働きかけていく。 開催後、評価指標を用いたプログラム評価を研究分担者およびB町の関係者と共に行い、小学生向け認知症高齢者支援力育成教材の成果と課題について検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は、A市での認知症キッズサポーター養成講座の開催が難しく、新たに開拓したB町で1回の開催にとどまり、Pepper搬送費用が少なかった。平成30年度は、引き続きB町において継続的に認知症キッズサポーター養成講座を開催予定であるため、Pepperの運搬費用を確保する必要がある。 また、平成30年度は国外における国際会議に2回出席のため、前年度未使用額を国際会議出席費用に充てる予定である。
|