近年のソフトウェアシステムは環境変化に対して柔軟に動作を継続する自己適応性が求められる.従来の開発手法では,開発時に想定された環境変化に対してのみ保証を伴った適応を可能にする.しかし実行時に直面する環境変化を開発時に想定し尽くすことは困難である.従来の開発手法では想定漏れのリスクは避けられない.そこで本研究では「開発時の想定に漏れた環境変化」に対しても耐えるソフトウェアを実現するための実行時モデル更新技術を提案した.環境・要求・動作仕様モデルをシステムが実行時に保持し,想定から漏れた変化を環境モデルに反映し,安全性を保証する動作仕様をシステム自身によって実用的な速度で導出する技術を構築した.
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