本研究では、パーソナリティといった主観的に記述される個人の性質を、行動や認知の生成する脳のメカニズムに基づいて理解するための基盤を提案した。特に、環境中の情報を選択的に獲得する行動に見られる個人差が、パーソナリティの特性と相関があることを実験的に明らかにし、脳機能や認知機能の観点からパーソナリティの個人差が理解できる可能性を示唆した。人工知能を搭載したロボットが他者のパーソナリティを理解したり、あるいは、ロボットに人間を模したパーソナリティを搭載するような場合に、認知メカニズムからパーソナリティを見ることができるという本研究の知見は有効と思われる。
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