研究課題
挑戦的萌芽研究
脳全体の機能デザインを情報理論の観点で捉える目的で、長文読解の記銘・想起に関する海馬神経回路モデルを構築およびヒト被験者実験を実施した。神経回路モデルでは一度の読解経験で数分にわたる文章記憶を想起できることを示した。長文読解において、機能関連回路とデフォルトモード回路の活動に関連があることを示し、大域的な脳回路の制御機構に関する手がかりを得た。
計算論的神経科学
脳では視覚、記憶など分散的に処理されているが、読書などの際にはこれらがうまく連動して働く必要がある。この連動の仕組みを明らかにするために、記憶を司る海馬の神経回路をシミュレーションしたところ、一度の読解経験で数分の文章系列を記憶できた、また、文章読解中の脳波と機能的脳画像を調べた結果、記憶成績はサリエンス回路、デフォルトモード回路と呼ばれる脳の広域ネットワークの活動と関連があることが示された。これらの成果は脳がどのように統合的に働くかを理解する上で重要である。