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2019 年度 実績報告書

脳機能計測法による乳幼児の音声知覚・発話産出の発達の関係と育児語の機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K12451
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

秋元 頼孝  長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (00555245)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード言語発達 / 脳機能計測 / 子音の弁別 / 育児語型韻律 / 対乳児発話
研究実績の概要

最終年度には、大人を対象として、心の中での対乳児発話産出の脳波計測実験を行った。その結果、大人に対する話しかけの条件と比べて、対乳児発話の条件では右の前頭葉のチャンネル(F8)においてシータパワーの増加が認められた。なお、顔の認知に重要な役割を果たす紡錘状回の付近に位置するP7,P8のチャンネルについても同様の解析を行ったが、これらのチャンネルでは対乳児発話の条件で特異的な反応は認められなかった。
研究期間全体としては、生後5ヶ月および9ヶ月の日本人乳児を対象に、母国語と非母国語の子音の弁別に関する実験と育児語型韻律の知覚に関する実験を行った。また、大人を対象として乳児に対して心の中で話しかける実験を行った。その成果としては、(1)乳児が子音を弁別できるか及びそれに伴う脳活動は、子音が母国語であるかどうかだけでなく、子音が変化する方向(例、LからR)によっても異なること(2)5ヶ月児は育児語型の韻律に対して、9ヶ月児は非育児語型の韻律に対してより大きな脳反応を示すこと(3) 乳児に対する話しかけを行う際、大人に対する話しかける場合とは右前頭葉における脳活動が異なることが明らかとなった。
乳児に対して話しかける際には、韻律の強調や特殊な語彙の使用など、大人に対する発話とは異なった特徴的な話し方(対乳児発話)になることが知られている。この対乳児発話は乳児にとって認知しやすく、また言語発達に寄与することが報告されているが、その多くは欧米の言語を対象とした研究である。本研究の成果のうち(2)は、日本語の育児語に多く存在する韻律のパターンが乳児の言語発達に寄与している可能性を示唆するものであり、対乳児発話の機能について欧米以外の言語から迫る貴重な知見である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 簡易脳波計を用いた対乳児発話産出の脳活動の計測2020

    • 著者名/発表者名
      増田泰人, 秋元頼孝, 中平勝子
    • 学会等名
      教育システム情報学会2019年度学生研究発表会
  • [学会発表] 顔の親近性がβ律動に与える影響-簡易脳波計による計測-2019

    • 著者名/発表者名
      秋元頼孝
    • 学会等名
      日本認知心理学会第17回大会

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公開日: 2021-01-27  

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