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2018 年度 実施状況報告書

インド古典のフレーズインデックス付き統合アーカイブ構築とフレーズ分析

研究課題

研究課題/領域番号 16K12544
研究機関龍谷大学

研究代表者

中谷 英明  龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20140395)

研究分担者 芝野 耕司  東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (50216024)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードフレーズ抽出 / リグ・ヴェーダ / マハーバーラタ / パーリ仏典 / フレーズインデックス / 統合Ngram / インド古典 / 層分け
研究実績の概要

従来の研究は、中間処理データの膨大さによる計算限界があったため、小規模文献の分析に終始してきた。しかし、グーグルのビッグデータ処理技法MapReduce (2004年)を用いて全く新しい技法として芝野が開発したフレ-ズ抽出法は、すべての「フレーズ」(連続する単語群)の抽出を初めて可能にした。
これを受けて本研究は、(1)すべてのフレーズの抽出によるフレーズインデックスを備えたインド古典統合アーカイブの構築、(2)データベース構築法並びに索引構成法の開発による、単なる文字列ではなく、フレーズという、言語のより本質的要素による検索を可能とするサービス構築方式の確立、(3)パイロットスタディとして『リグ・ヴェーダ』、『マハーパーラタ』、『パーリ聖典』等のフレーズ抽出分析による解明、をめざしている。
本年度作成したインデックスには、各単語またはフレーズのカイ2乗検定結果が有意水準:0.05, :0.01, :0.001 に応じて それぞれ*、**、***によって示され、カイ2乗値が最も高い巻が当該巻(S=Subject)か、他の巻(O=Others)かがS、Oによって示され、カイ2乗値の高さ(P=Plus)または低さ(M=Minus)の値が有意である場合には、それがP、Mによって示される。
例えば『リグ・ヴェーダ』の場合、雷神インドラを形容する常套句nRtamaM vAjasAtau「戦利品獲得に際して最も豪胆な」がヴィシュヴァーミトラ家の歌集(すなわち3巻)特有のものであること、また後代に付加された10巻にはこれを真似たものがあることなど、インデックスは『リグ・ヴェーダ』成立の歴史的過程を一目で彷彿させるデータに満ちている。成立年代不詳の文献や、一文献内に制作年代の異なる諸層が混在するインド古典の文献学的研究にとって、今後、フレーズ分析は必須ツールとなるであろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

代表者中谷、分担者芝野の両名は、平成30年度において、共に、1)勤務先変更のため、研究室移動に手を取られたこと、2)インド古典テキストデータベースの(インターネット上では見えない)質の不均質の補正に時間を費やしたこと、等により、研究は予定より若干遅れざるを得なかった。このため、平成31年度への延長を申請した。

今後の研究の推進方策

『リグ・ヴェーダ』、『マハーパーラタ』、『パーリ聖典』等のインド古典のフレーズインデックスを順次作成し、それを例えばElectronic Journal of Vedic Studies (Edited by Michael Witzel, Harvard University)等のインド学関係電子ジャーナルに公開する予定である。また、フレーズ抽出、フレーズインデックス構築、検索サービス構築等の技法を欧文学術誌に公開することを期する。さらにフレーズインデックスを利用したインド古典分析結果を順次学術誌に公開することに努める。

次年度使用額が生じた理由

以下の2理由によって研究に若干の遅滞が生じた。
1)研究代表者中谷英明の所属機関が平静30年4月に関西外国語大学より龍谷大学へと移転したため、研究室引っ越し作業に時間を取られたこと。  2)インターネット上のインド古典データの質が予想以上に不均質であることが判明し、対処に時間を取られたこと。
次年度には、IT機器の補充、データベース整備謝金、図書購入等に繰越金を使用して研究の当初目的達成を期する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] インド古典学・チベット古典学と日仏東洋学会2019

    • 著者名/発表者名
      中谷英明
    • 学会等名
      日仏東洋学会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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