研究課題/領域番号 |
16K12727
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
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研究分担者 |
本間 一江 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80724765)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 胎児期低栄養 / 糖尿病 / エピゲノム / バイオマーカー |
研究成果の概要 |
胎児期後期に低栄養環境に曝されたラットでは、膵臓における発生・分化関連遺伝子の発現が低下し、インスリン分泌が低下するとともに、脂肪細胞において分化を制御する転写因子の発現が抑制され、インスリン感受性が低下することが示された。インスリン分泌能力の低い素因を持つ個体では、胎児期の低栄養は耐糖能異常をさらに悪化させることが示唆された。 胎児期に低栄養環境に曝露したラットの末梢血白血球を用い、血糖値の変動幅に対応した発現変動を示す遺伝子を探索したところ、炎症関連遺伝子であるIL-1β、S100a8、S100a9、S100a11が、血糖上昇の履歴を示す感度の良いマーカー遺伝子であることが示唆された。
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自由記述の分野 |
保健栄養学、栄養生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は、胎児期の低栄養環境が、出生後の発達の過程で膵臓ならびに脂肪組織における分化や成熟化に関わる遺伝子の発現の低下をもたらすため、糖負荷による急激な血糖上昇が起こりやすく、糖尿病のリスクを高めることを示したことと、胎児期の低栄養環境による血糖上昇の履歴を示す候補遺伝子として炎症性サイトカイン遺伝子を同定したことである。 本研究は、遺伝素因の点で膵臓からのインスリン分泌能力の低い日本人にとって、妊娠時の栄養管理と胎児期における低栄養の予防が、糖尿病の発症・進展リスクの抑制のために、いかに重要かの根拠の一端を提示したものである。
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