研究課題
本研究の最終的な目標は、協調学習を通して、知識(knowledge)や知ること(knowing)、学ぶこと(learning)に関する認識論的信念を変容し、知識創造実践を実現していくための「認識論的コンピテンシ」を育むために、それを適切に発揮しながら学習できる学習環境のデザイン原則を見いだすことにある。 その萌芽期の研究として、本研究は、(1) 複数人で協調しながら複数の論争的文書を読解するなかでどのように協調的に認識論的コンピテンシーを発揮するのかを明らかにすること、(2) その成果をもとに複数で協調的に認識論的コンピテンシーを発揮できるようにするための教授的支援介入の方法について実践的に開発することを目標としている。平成30年度は、平成29年度までに得られたデータをもとに、さらに分析を行い、再び国内の大学および高等学校において複数の矛盾する文書を理解するための教育実践・分析を行った。また、こうした文書を活用した情報科の授業実践をさらに開発・実践・評価分析を進めた。この結果、いくつかの学習過程のデザイン原則を見いだすことができた。さらに、教授的支援介入のためのソフトウェアインタフェースのデザインを進めた。研究成果の一部は、国際雑誌、ヨーロッパ教授学習学会(European Association for Research on Learning and Instruction)の2019年大会、日本教育工学会研究会で発表を行ったほか、国立教育政策研究所教育課程研究センターの事業に資する形で、成果普及に努めた。またデザイン原則の一部は、今後出版される学習科学に関する書籍にて解説される。
学校法人河合塾による、高等学校における授業実践に関する紹介記事がある。https://www.wakuwaku-catch.net/jirei1878/
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