植物標本に関しては、外形から葉脈、表面組織構造が微細に金属板上に転写された。指先で明瞭に転写の凹凸が確認でき、人間の指の2点識別距離基準を満たした。鳥の羽毛の転写は、視覚では転写された単独の羽毛が確認できるが、触覚ではほとんど変化が確認できなかった。原型の素材に寄らず、葉の重なりや、折り紙のような重なった構造をとる原型の衝撃成型レプリカは、その内部の立体構造を転写する。この場合は視覚によっても構造を把握しづらくなる。不特定多数が触る展示を前提とした博物館標本としては銅,アルミニウムが適する。走査型電子顕微鏡観察によりほぼすべての細胞壁ならびに細胞壁表面構造の68 %程度の転写を確認した。
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