近年ナノテクノロジーの発達により、ポリ乳酸やポリグリコール酸を用いた生体分解性ポリマーナノ粒子やリポソームを用いて免疫応答を調節しようという試みが多くなされるようになった。これらのナノ粒子を腸管免疫細胞へデリバリーするための問題点としては、胃や腸の消化酵素に耐性があるかという問題点がある。また、シリカナノ粒子は粒子としての安定性では優れているが、生体への毒性や分解性の欠点がある。本研究では、薬剤を内包し腸管免疫細胞まで送達可能なマテリアルを開発した。本研究で得られたナノ粒子は、投与経路が経口であることから、高齢者や幼児、医療従事者のいない地域での投与も可能であり、医療現場の改革にも繋がる。
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