研究課題/領域番号 |
16K12966
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
大塚 裕一 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (70638436)
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研究分担者 |
宮本 恵美 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (80623511)
古閑 公治 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (20623507)
久保 高明 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (40459368)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 誤嚥性肺炎予防 / 喉頭挙上訓練 / 開口トレーニング機器 / 舌骨上筋群 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
高齢者の誤嚥性肺炎の発症要因として,嚥下筋活動いわゆる喉下運動能力の低下が指摘されている。 その対応として, 喉頭挙上改善のための様々なトレーニング法が存在するが,持病に対する考慮や負荷に対しての調節が必要で高齢者が容易に実施できるとは言い難い。その中で,開口訓練は他の喉頭挙上訓練と比べると禁忌事項が少なくまた 10 秒間最大に開口するだけで行える訓練として提唱されている。喉頭挙上訓練の中でも, 頭部挙上訓練は重力による負荷を伴い,嚥下おでこ体操は手掌による負荷が掛かるのに対し 開口訓練では開口という自動運動のため負荷が掛かっていない。そこで本研究では開口訓練に注目し, 既存の訓練法に併せ,新たに考案した開口トレーニング用の器具を使用し負荷を与えることで,より効果的な喉頭挙上改善のトレーニングとして有用かを検証した。 対象は65 歳から 84 歳までの健常高齢者で,トレーニングに用いた器具は可及的にベルトを締めることで開口時に努力を要し、下顎に負荷が掛かるような仕組みになっている機器であった。この器具を装着する群と未装着の群の2 群に対して 4 週間の開口訓練プログラムを行い, 負荷を与えたトレーニングの有効性について,舌骨上筋群の筋活動量と開口力の訓練前後比を用いて検討した。結果、ベルト装着群で訓練後の舌骨上筋群の筋活動量は,訓練前と比べて有意に増加した (p= 0.0156)。 以上のことから既存の開口訓練に負荷を掛け,トレーニングを行うことによって舌骨上筋群の筋活動量に増加が認められたことで、特に舌骨上筋群の持久性が向上したことは,筋力増強に効果があることを示唆し,その結果として嚥下機能改善の可能性が示唆された。
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