経頭蓋磁気刺激(TMS)とマイクロコンピュータ(Arduino),位置センサーを用いた閉ループ型非侵襲脳刺激システムを開発し,ピアノ演奏中の大脳皮質運動野の皮質興奮性の時系列変化(ダイナミクス)を評価することに成功した.当該システムを用いて,ピアニスト10名と非音楽家10名の安静中および演奏中の運動野の興奮性を,ピアノ音の聴取時とノイズ音の聴取時に評価した.その結果,ピアノ音の聴取による運動野の皮質興奮性の亢進が,安静時および演奏時の当該音の生成の100ミリ秒前にのみ起こることが,ピアニストでのみ観察され,非音楽家ではピアノ音聴取による特異的な運動野の興奮性の亢進は認められなかった.
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