研究課題/領域番号 |
16K13081
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
鈴木 佳奈 広島国際大学, 心理科学部, 准教授 (20443252)
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研究分担者 |
大島 聖美 茨城大学, 教育学研究科, 講師 (00710089)
西村 太志 広島国際大学, 心理学部, 准教授 (30368823)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 絵本の読み聞かせ / 父親の育児参加 / 父親・母親・子どもの協働 |
研究実績の概要 |
平成29年度は,(1)データ収集,(2)データの試験的分析,(3)事例検討の口頭報告,を行った。 1.データ収集:昨年度の予備調査を通して,データ収集の手順,研究趣旨説明書等の書類,調査用紙などを確定した。広島国際大学内の倫理審査委員会に研究実施の可否を諮り,研究実施の許可を得て,データ収集を開始した。研究分担者の所属変更に伴うデータ採集手順の変更や研究協力者を募集する方法の再検討の必要が生じたが,年度中に8家族のアンケート,インタビュー,絵本読み聞かせ活動のビデオデータを収集した(さらにもう8組,年度内に申し込みがあったものの,収録を次年度に持ち越している)。インタビューデータとビデオデータは,作業者に依頼して書き起こし作業を行っている。 2.データの試験的分析:絵本読み聞かせ活動については,6組分のデータを試験的に分析し,父子の活動への母親の介入の頻度と介入の仕方に関していくつかの特徴的なパターンが見出された。インタビューデータについては,1組分のデータを詳細に分析し,家事や育児に対する父親・母親それぞれの意識と,家族としての意識のすり合わせをどのように扱いうるかを検討した。アンケート結果については,データ数が少ないためにまだ有効な統計分析が行えないが,父親と母親の回答をペアデータとして扱うための初歩的分析を試みた。 3.事例検討の口頭報告:上記2の成果を踏まえて,事例報告を中心とした口頭報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度に20組のデータ収集を予定していたが,年度内に収集できたのは8組分であった。遅れが生じた大きな理由は,研究分担者の所属変更に伴い,データ収録日程と手順を再検討する必要が生じたことと,研究協力者の募集を異なる方法で複数回行わなければならなかったこと,の2点である。 データ収録手順については,インタビュー担当者が遠隔地勤務となったため,インタビューを対面でなくSkypeを使用して行うことに変更した。通信の安定性と録画データの質を確保するまでに試行錯誤が必要であったが,現在は1時間程度のインタビューであれば問題なく実施できている。 研究協力者の募集については,当初,大学のある市の保育課に依頼し,市内の保育施設に募集チラシを掲示してもらっていたが,思うように協力者が集まらなかった。そこで,コミュニティ新聞紙に募集広告を掲載し,また応募期限を定めてみたところ,申し込みが急増して,この方法が有効であることが確認された。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は年度内に15組分程度のデータ収集を目指す。複数のコミュニティ情報誌への広告掲載を行い,大学のある市だけでなく近隣の市町村にも情報を広めて協力者を募る。また,平成30年度はデータ分析を重点的に行い,研究成果のアウトプットに力を入れる。研究知見の公開にあたっては,論文執筆のみならず,行政との連携も模索したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) データ収集に関連した人件費・謝礼が,次年度持ち越しになったため,予算額に到達しなかった。 (使用計画) データ収録に関連した人件費・謝礼,および研究分担者の旅費として執行する予定である。
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