本研究では、ラオスで話されている消滅の危機に瀕している2つの言語、モン・クメール系の言語であるムラブリ語(人口約20人)とチベット・ビルマ系の言語であるスマ語(人口約50人)を対象に、語彙調査と文法調査を行った。また、両言語の周辺で話されている言語の語彙調査も行った。その結果、ムラブリ語は子供世代によって話されており、世代間の継承が行われていることが分かった。これに対して、スマ語のもっとも若い母語話者は30代であり、それ以下の世代のスマは村における多数派言語であるプーニョート語を母語として話しており、世代間の継承は行われていないことが分かった。
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