研究課題/領域番号 |
16K13240
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松田 真希子 金沢大学, 国際機構, 准教授 (10361932)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | サウンドスケープ / 言語景観 / 音声分析 / 日本事情 |
研究実績の概要 |
Global sound(以下GS)とはパイオニアが開発したタブレット端末専用音声アプリである。このアプリは音の「インスタグラム」のようなもので、1分間の音声録音と1枚の写真、短いキャプションを書く機能がワンセットになっており、GPS機能で自分が作成した「音」をGS専用の地図に載せることができる。この「音」はGSユーザー全てにシェアされ、コメントを受けることができる。本研究はこのアプリの教育応用と日本語サウンドスケープの世界地図の作成と分析である。 まずGSを用いた活用案について検討会を行った。その結果、以下の案が出された。(1)クラスの中で自分の好きな音をとってきて発表させる(2)GSを活用し、世界の日本語集を作る(3)世界中の日本語生活を記録して収集することに活用する(4)毎日発話させる「音声日記プロジェクト」(5)世界中の日本語教育機関で物語をリレーで読んでみる(6)世界中で物語を1分でつくってつなげる(7)音俳句集(写真+サウンドスケープ+俳句キャプション) その後、研究協力者の柴田が(1)をもとに教育実践研究を行った(柴田2016)。柴田は北米からの大学生が日本で学ぶ夏期日本語プログラムでGSを使ったプロジェクトを実施した。このアプリを用いて日本の公共音声収集を行った結果学生たちの日本のコミュニティへの関心が高まることが確認された。 続けて、パイオニアと協力し日本語音声のサウンドスケープのためのアプリ開発をすすめた。既に日本語サウンドスケープのための学習サイトを立ち上げ、コンテンツをアップし、キャプションをつけている。http://160.16.101.253/globalsound_jp/index.html 更に香港など各国の空港等で日本語サウンドスケープを録音し、海外の日本語サウンドスケープのプロットを行った。今後はそれらから音声言語景観分析を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育応用の研究は比較的進んでいる。サウンドスケープのプロットやサイトの充実は少し遅れている。当初はパイオニアからglobal soundsに投稿されたデータの位置情報を転送してもらうことで話が進んでいたが、そのための仕様変更やブランディングなどで調整が難航した。
|
今後の研究の推進方策 |
サウンドスケープのプロットの件については結局パイオニアが技術協力し、別途アプリを開発することで進めている。アプリ化が完了すればデータプロットが加速すると考えている。
|