研究課題/領域番号 |
16K13240
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松田 真希子 金沢大学, 国際機構, 准教授 (10361932)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヴォイススケープ / 言語景観 / 日系人 / サウンドスケープ |
研究実績の概要 |
28年度は日本語教育への応用について検討し、実践研究を行った。29年度は言語研究への応用の検討のため、Global Soundsを用いて南米4か国の日本語サウンドスケープ(ヴォイススケープ)の収集を約100箇所で行った。これにより、南米のどこにどのような日本語のサウンドスケープがあるか、一部マッピングすることができた。例:http://pioneer.jp/soundlab/globalsounds/?d=5620(アルゼンチン) http://pioneer.jp/soundlab/globalsounds/?d=5698(パラグアイ)これらの日本語ヴォイススケープマップは今後日系社会の研究を行う上で貴重な資料になると思われる。 しかし、今回の調査で、いくつかの問題点も明らかになった。日系人入植地は辺境にある場合が多く、収録した半数程度がGlobal soundsのアプリから投稿不能であった。また、人間は移動するため、そこにいけば必ずそのヴォイススケープが得られるというわけではなく、またそこで収集できたことが、そこにそのヴォイススケープがあることを保証するものではないということである。そこが言語景観研究として人間の音声を利用することの難しさである。しかし公共施設(日本語学校、文教の集会所など)で習慣的に行われている運動会などの行事は景観化しているため、今後はそうした景観化している音声を収集する予定である。それにより、確定が難しいとわれる海外の日本語人移住地マップの基礎資料の提供にも役立つと考えている。 今後は日本語のヴォイススケープを収集、マッピングするアプリの開発を完成させ、大規模なマッピングを行う予定である。そして日本語教育応用と言語研究への応用へと展開したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
音声データの収集はある程度行うことができたが、アプリの開発が完成しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
投稿、マッピングアプリを完成させ、 世界中から日本語のサウンドスケープを投稿できる環境を整える。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたアプリ開発が業者側の都合で完成せず、納品を次年度に繰り越したため
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