本研究では、国際裁判による海洋境界画定について、最終的な境界画定線に「過大な」影響を与える要素を、裁判所がどのような手法で修正してきたかを分析・整理した。また、海洋境界画定条約については、200海里以遠の大陸棚の境界画定に着目し、国際裁判による境界画定においては200海里内の単一海洋境界に適用されてきた手法が踏襲されているのに対して、自然の延長を反映するものとしての海底地形や、海域の面積など、他の地理的な要素に着目した柔軟な解決が図られていることを明らかにした。また、追加的に、日本の200海里以遠の大陸棚の設定に関する問題を検討し、日本が群島水域を主張することの理論的な可能性を検討した。
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