研究課題
平成30年度の研究実績は以下のとおりである。(1)経済実験による環境規制の実効性分析:第1に、環境規制を汚染排出者が遵守したかどうかを確認するモニタリング、および排出者の規制遵守が実行される確率を実験室実験によって検証した(被験者数106名)。規制遵守コスト、モニタリングコスト、およびモニタリングコストの負担方法についてトリートメントを実施した。モニタリングコストの負担方法の変化が遵守確率に影響を与えることを明らかにした。国際学会で発表後、Discussion Paperを発行した。第2に、生物多様性オフセットメカニズム導入による開発総量規制について、異なる制度間の取引に関するルールの効果を実験室実験によって明らかにした論文を国際査読誌に掲載した。(2)理論分析:第1に、国際輸送における環境規制について、公海における排出に対する規制の実施を、貿易国に認めるべきかどうかの分析を行った。国内排出と同じ規制を実施する場合に、排出への規制が貿易国の厚生を引き上げることを明らかにし、国内学会で報告した。第2に、組織内においてエージェント(代理人)で構成されるチームにおいて、代理人のタイプがプリンシパル(依頼人)にとって観察不可能である場合における内部告発のインセンティブを分析した。この結果を国際・国内学会で報告し、ワーキングペーパーを発行した。第3に、航空機産業への新規参入に対する公的支援の影響について分析した。航空業界では今後環境規制が厳しくなると予想されるが、特に航空機エンジンの環境性能が重要となる。既存企業に対する技術的優位性がない新規参入企業が、公的支援によって開発当初から環境性能を重視する点に着目し、それが中間財メーカーの研究開発を通じて既存企業に波及するメカニズムを考慮して分析し、ディスカッションペーパーを発行した。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
Economic Analysis and Policy
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https://doi.org/10.1016/j.eap.2019.02.002
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