証券市場において、価格が本源的価値の情報を反映しているほど、効率的な資源配分が達成される。そのためには、投資家が証券価値について情報生産を行い、その情報が取引を通じて価格に反映される必要があるが、そもそも情報生産が行われるためには、情報を保有しない投資家が取引することにより、価格と本源的価値の乖離が発生する必要がある。本研究では、価格と本源的価値とを乖離させる投資家として個人投資家を想定し、注文不均衡情報より個人投資家の行動を推測した。個人投資家の一部は将来価格について予測力がないか、あったとしてもヘッジ等の動機によって取引をしている可能性がある。
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