研究課題/領域番号 |
16K13476
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研究機関 | 産業能率大学 |
研究代表者 |
番田 清美 産業能率大学, 経営学部, 准教授 (40646246)
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研究分担者 |
佐藤 達哉 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90215806)
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20437180)
上淵 寿 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20292998) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | キャリア発達 / 自己形成 / 大学生 / 移行期 / 国際比較 / TEA:複線径路等至るアプローチ / 対話的自己 / アイデンティティ |
研究実績の概要 |
キャリア発達の質的分析方法「キャリア&アイデンティティ・ワーク」の開発においては、2016年9月の対話的自己国際学会と日本質的心理学会において発表を行った。TEA(Trajectory Equifinality Approach:複線径路等至性アプローチ)とDialogical Self(対話的自己)を融合させ、キャリア発達を可視化できるツールの開発検討を続けている。学生のキャリア発達において、人はどのような「必須通過点」を持つのかを明らかにしつつある。また、人の価値観変容点である「分岐点」においては、どのような対話的自己(葛藤や想像)が起こり、どのように変容しながら自己を形成していくのかをビジュアル化させ、学校から仕事への移行期における発達を明らかにしようと検討している。 また、インドネシアとの大学生のキャリア発達における国際比較においては、計画していた準備をほぼ完了している。日本人学生へは2015年にすでに質問紙調査を行っているが、使用した尺度を、8月に日本語から英語へ翻訳した。10月にインドネシア現地にて、現地の英語教師との共同作業により、英語からインドネシア語に翻訳した。さらに、2017年3月にはインドネシア語に翻訳された尺度を使用した質問紙を用いて、インドネシアのPGRI Universitas Adi Buana Surabaya(スラバヤ)と Pendidikan Universitas Indonesia(バンドン)において、合計500名の学生から質問紙調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質問紙調査のインドネシア語への翻訳においては、当初メールのやり取りにて実施する計画であった。しかしながら、微妙なニュアンスを伝えることが困難だったため、インドネシアを訪れ、現地の英語教師と共同作業をすることにより翻訳版質問紙を完成させた。
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今後の研究の推進方策 |
3月に集めたインドネシア大学生の質問紙調査を分析し、結果を導き出す。アイディンティティ地位の違いにより、インタビュー調査対象者を抽出する。協力校であるUniversitas PGRI Adi BuanaとPendidikan Universitas Indonesiaの2大学から各8名、合計16名に連絡を取り、インタビューの承諾を取り付ける。8月にインドネシアを訪問し、現地の通訳協力者の手を借りながら、16名にインタビュー調査を実施する。 また、日本人大学生(社会人)に関しては、6月から7月にかけて第2回目のインタビュー調査を実施する。 調査結果については、9月の日本質的心理学会、11月のIAEVG(International Association of Educational and Vocational Guidance:国際キャリア教育学会)にて報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者であった上淵寿氏(2017年度より杉森伸吉氏に交代)が、日本質的心理学会に参加しなかったことと、書籍の購入をしなかったことにより、費用の出費がなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
インドネシアの協力大学であるUniversitas PGRI Adi Buanaからの要請により、インドネシア外国人研究者・研究許可、つまり研究者VISAの取得をしなければならず、インドネシア科学技術省へのRISTEKの申請を行う。それにかかる費用と現地ジャカルタへ赴いての手続きが必要となったため、8月に予定しているインドネシアでのインタビュー調査の前にジャカルタ入りをする。
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