本研究は、様々なビームバンチ構造を持つ SPring-8 の蓄積電子ビームに対して、繰り返し周波数を最適化したパルスレーザー光を、電子ビームに同期して入射することにより、逆コンプトン散乱効率を劇的に改善し、レーザー電子光ビームの高強度化と安定化を実現することを目的とする。その原理を検証するため、電子ビームバンチが一周する周期に合わせてレーザーを入射すると非同期の場合に比べて2.2倍の強度のレーザー電子光ビームが得られた。この値は同時に測定されたレーザープロファイルから予想される値と一致しており、レーザーを理想値の150マイクロメーターまで絞ることによりその比が9.5に改善することが示された。
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