火山ガス中の水蒸気の起源には、マグマ水の場合と、山体内部の地下水の場合(天水)があり、両者間で水素および酸素の安定同位体比が大きく異なることが知られている。噴火に伴って大気中に放出され、風下に流下してくる噴煙中の水蒸気の同位体比を定量化することができれば、そこから水蒸気の起源(マグマ水か、天水か)が判別できるし、山体内の流体挙動の理解も進展する。そこで本研究では、容器中に採取して持ち帰った噴煙試料中の水蒸気の同位体比を定量化する新システムを開発した。また実際の火山の噴気孔で、噴煙中の水蒸気の同位体比分析から噴気孔における水蒸気の同位体比が推定出来ることを確認した。
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