初めての曲面σ共役オリゴシランとしてデカシラヘキサヒドロトリキナセン(1)およびデカシライソツイスタン(2)を合成し、その構造と電子的性質を調べた。化合物1と2はトリス(1,3-ジブロモ-2-トリシラニル)メチルシランを6.3当量のカリウムグラファイトで還元して合成した。化合物1の構造はNMRスペクトルと理論計算から決定した。また、化合物2の構造はX線結晶構造解析により決定した。化合物1と2の紫外吸収スペクトルを測定したところ、1の最長波長吸収帯の方が2よりも長波長シフトしていることがわかった。その理由を1と2の理論計算から明らかにした。
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