研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では、高い化学安定性を有するラジカルを用いて発光デバイスの高エネルギー効率化に挑戦した。その結果以下のことを明らかにした。(1)発光ラジカルの光物性を化学刺激や分子設計により制御できる一方、発光量子収率に関しては、結合の強さや分子構造のフレキシビリティの影響を考える必要があること (2)金属イオンへの配位によりラジカルの発光特性の多様化と機能増強が可能であること、(3)本研究で合成したラジカルが実際に発光デバイス内で光ること。
分子物性化学
これまでラジカルは分解しやすく(=化学反応性が高く)光らない物質として知られてきた。本研究では、これらの固定概念を覆す「光る安定ラジカル」を様々に創出できた点が、学術的に重要な成果である。さらに新たに開発したラジカルをデバイス中で発光させることができた。これは高エネルギー効率な発光デバイス実現へつながる重要な成果であり、学術的のみならず社会的にも意義深い。