本研究では、光触媒がしめす酸化分解力に着目し、光触媒を用いてセルロース系少糖を分解し、グルコースや希少糖といった有用糖を生産する技術の確立に成功した。具体的には、二糖であるセロビオースを光触媒で処理することにより、グルコースが生成するのを確認したとともに、セロビオースの片側のグルコースが減炭したグルコースとアラビノースからなる希少な二糖が生成していることが明らかになった。反応機構を詳細に検討した結果、糖のアルファ炭素が求核的に反応し、脱炭酸をともなう減炭反応がしていることが推察された。また、セロビオースが分解した際に有機酸やアルデヒド類が生成して売ることも確認された。
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